- Oedipus Tyrannus -
- オイディプス王 -




- 元凶 -

テーバイの王ライオスは太陽神アポロンから不吉な神託を授かった
「お前は我が子に殺されるだろう」
ライオスは神託を信じ、妻イオカステとの間に生まれた子を捨てた



- 青年 -

オイディプスと名付けられた子は成長した
誰もが嫉妬するほどに優れ、 親とは似ても似つかぬほどに美しく
そんな彼はあるとき、アポロンから神託を授かる
「おまえは将来、父を殺し母を娶るだろう」
青年は両親から遠ざかる為、旅に出る決意をした



- 岐路 -

旅の途中、行く手を阻む老人が現れた
尊大にして傲慢な老人は 目の前の若者を鞭で打ち据えた
激高した若者の心に殺意が芽生える
気が付けば 名も知らぬ老い先短い命を奪っていた
その出来事は ただの小さなしみのように彼の心に残った



- 謎 -

訪れたテーバイでは怪物スフィンクスが待ち受けていた
『四本の足にて立ち、二本の足にて歩き 三本の足にて死すものは何か』
その謎かけに答えられない旅人を食い殺し続けていたのだ
オイディプスは挑みそして答えた 「それは人である」
謎を解かれたスフィンクスは自ら命を絶った



- 新王 -

国の災いだったスフィンクスを倒した オイディプスはテーバイの王となり
夫ライオス王を亡くしたばかりのイオカステを娶った



- 禁 -

オイディプスはイオカステを愛し 二人の間には4人もの子に恵まれた
オイディプス
その名は「踵の腫れた」という意味である
生後間もなくして捨てられる際 父ライオスが彼の踵に傷の印を付けたからだ
傷を付けたピンが母のものであった事を 彼はまだ知らない



- 真実 -

イナゴが発生し国土は飢饉に見舞われた
凶事の原因を探るうちに オイディプス王は知ってしまった
あのとき殺した老人が何者なのか
いまげんざい愛してやまぬ妻が何者なのか
そして 自分が何者なのか



- 暗黒 -

残酷な真実は明かされてしまった
最愛の女は耐えきれず自ら命を絶った
「あの世で父母に会わせる顔が無い」
オイディプスは自ら我が目を突いた
生きる事も死ぬ事もかなわぬ悲劇の王は すべてを捨てさすらう身となる

 

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